自作している git-plantation という Haskell アプリケーションの依存パッケージのバージョンを、Stackage LTS-15 でビルドできるようにバージョンを色々とあげました. 本記事はそのメモ書きです(記事にするほどのことではないんだけど,思ったより色々したので忘れそうだから記事にした笑).

ちなみに git-plantation については,このスライドを参照してください. いくつかのパッケージをフォークしたり,ラッパーパッケージを作ったり,そもそも自作したりしてるのでタイミングによっては LTS のメジャーバージョンを一つ上げるだけでも結構大変なのです.

ハイライト

ちなみに,元々は LTS 14 だった

  • GHC のバージョンが 8.8.3 になる(影響はさほどない)
  • extensible を 0.8 にする
  • github を 0.25 にする
  • servant-elm を 0.7.1 にする(これもさほど影響はない)

最終的なPRはこれ

extensible-0.8

0.8 ではもともと deprecated になっていた関数や型がついに消えたので,利用しっぱなしだったコードがビルドできなくなった:

 /.../drone-1.0.1/src/Drone/Types/Cron.hs:25:44: error:
     Not in scope: type constructor or class ‘:*
     Perhaps you meant one of these:
       ‘:& (imported from Data.Extensible),
       ‘:/’ (imported from Data.Extensible)
    |                  
 25 | type CronPatch = Nullable (Field Identity) :* CronPatchFields
    |                                            ^^

消えたのはこれら

  • Associate k v xs => Lookup xs k v
  • h :* xs => xs :& h
  • h :| xs => xs :/ h
  • AssocKey kv => KeyOf kv
  • AssocValue kv => TargetOf kv
  • ValueIs => TargetIs
  • KeyValue => KeyTargetAre
  • proxyAssocKey => proxyKeyOf
  • proxyAssocValue => proxyTargetOf
  • stringAssocKey => stringKeyOf
  • => xlb

上3つは演算子の順番が変わってる点に注意. 他はただ名前を変えただけ(Associate の名前が変わったためかしら?).

github-0.25

github パッケージは 0.24 でかなり大きなインターフェースの刷新をしており,その影響がデカかった. 今までは一つの API に対して最大3つの関数が用意されていた:

-- https://developer.github.com/v3/users/#get-a-single-user の関数
userInfoFor :: Name User -> IO (Either Error User)
userInfoFor' :: Maybe Auth -> Name User -> IO (Either Error User)
userInfoForR :: Name User -> Request k User

ベースは hogeR 関数で,他はこの関数のラッパー関数だ. 0.24 からは hogeR 関数だけ残して他の関数は廃止し,githubgithub' の2つの関数を用意した:

-- だいたいこういう対応
userInfoFor name = github' (userInfoForR name)
userInfoFor' (Just auth) name = github auth (userInfoForR name)

また,github パッケージはフォークして足りない API 関数を足して利用していたため,それらの修正(というか hogeR 以外の削除)をする必要があった. 追加してたけどフォーク元に PR を投げてなかったのはこれらの関数(完全にメモ):

  • removeCollaborator : リポジトリのコラボレーターの削除
  • teamInfoByName : Organization のチームをチーム名から引く
  • addOrUpdateMembership : Organization メンバーの権限の追加ないしは変更
  • removeMembership : Organization メンバーの権限の削除

servant-elm-0.7.1

ビルドが通らないことはないが生成ファイルが変わったので,念のため差分をチェックした. 少なくとも僕の生成コードに影響があったのはこの PR

Using the appropriate toString functions for different types

要するに,デフォルトで定義しているデータ型以外の型で文字列からJSONデコードするときの振る舞いを自分で定義したいって感じだと思う. たぶん.

servant-elm は elmap.hs というのでラップしてるのでそっちのアップデートも行った. こっちには生成コードのテストも追加してあるので差分がわかりやすい

おしまい

他にも CI/CD を GitHub Actions にしたりした.